モーター性能の違い1:速度/トルク/サイズ
世の中には様々な種類のモーターがあります。大きなモーターから小さなモーター、回転ではなく前後に動くモーター、一見するとなぜこんなに高価なのか分からないモーターなど。しかし、どのモーターにも選ばれる理由があります。では、あなたにとって理想のモーターとは、どのような種類のモーター、性能、特性を持つモーターなのでしょうか?
このシリーズの目的は、最適なモータの選び方に関する知識を提供することです。モータ選びの際の参考になれば幸いです。また、モータの基礎を学ぶ上でもお役に立てれば幸いです。
説明するパフォーマンスの違いは、次の 2 つのセクションに分かれています。
速度/トルク/サイズ/価格 ← この章で説明する項目
速度精度/滑らかさ/寿命とメンテナンス性/発塵/効率/発熱
発電/振動・騒音/排気対策/使用環境

1. モーターへの期待:回転運動
モーターとは、一般的に電気エネルギーから機械エネルギーを得るモーターのことを指し、ほとんどの場合は回転運動を得るモーターのことを指します。(直線運動を得るリニアモーターもありますが、今回は割愛します。)
では、どのような回転がほしいのでしょうか?ドリルのように力強く回したいのか、それとも扇風機のように弱く高速で回したいのか?求める回転運動の違いに着目すると、回転速度とトルクという2つの特性が重要になってきます。
2. トルク
トルクとは回転力のことです。トルクの単位はN·mですが、小型モーターの場合はmN·mが一般的に用いられます。
モーターはトルクを高めるために様々な工夫が施されています。電磁ワイヤーの巻き数が多いほど、トルクは大きくなります。
コイルサイズが決まっているため巻き数が制限されるため、より線径の大きいエナメル線が使用されます。
当社のブラシレスモーターシリーズ(TEC)は、外径16mm、20mm、22mm、24mm、28mm、36mm、42mm、60mmの8種類のサイズを取り揃えています。モーター径に合わせてコイルサイズも大きくなるため、より高いトルクが得られます。
モーターのサイズを変えずに大きなトルクを発生させるために、強力な磁石が使用されます。最も強力な永久磁石はネオジム磁石で、次にサマリウムコバルト磁石が続きます。しかし、強力な磁石だけを使用しても、磁力はモーターから漏れ出してしまい、漏れ出した磁力はトルクに寄与しません。
強力な磁性を最大限活用するために、電磁鋼板と呼ばれる薄い機能性材料を積層し、磁気回路を最適化しています。
また、サマリウムコバルト磁石の磁力は温度変化に対して安定しているため、温度変化の大きい環境や高温環境でも安定してモータを駆動することができます。
3. 速度(回転数)
モーターの回転数は、しばしば「速度」と呼ばれます。これは、モーターが単位時間あたりに何回回転するかという性能です。「rpm」は一般的に毎分回転数として使用されますが、SI単位系では「min-1」で表されることもあります。
トルクと比較すると、回転数を上げることは技術的に難しくありません。コイルの巻き数を減らすだけで巻数を増やすことができます。しかし、回転数を上げるとトルクは低下するため、トルクと回転数の両方の要件を満たすことが重要です。
また、高速で使用する場合は、滑り軸受よりもボールベアリングを使用することをお勧めします。速度が速いほど摩擦抵抗の損失が大きくなり、モーターの寿命が短くなります。
シャフトの精度にもよりますが、回転速度が速いほど、騒音や振動の問題が大きくなります。ブラシレスモーターはブラシも整流子もないため、ブラシ付きモーター(ブラシが回転する整流子に接触する)よりも騒音と振動が少なくなります。
ステップ3: サイズ
理想的なモーターを考える上で、モーターのサイズも性能を左右する重要な要素の一つです。たとえ回転数やトルクが十分であっても、最終製品に搭載できなければ意味がありません。
速度を上げたいだけなら、ワイヤーの巻き数を減らしても構いませんが、最小トルクがないと回転しません。そのため、トルクを上げる工夫が必要です。
上記の強力な磁石を使用することに加え、巻線のデューティサイクル係数を高めることも重要です。回転数を確保するために巻線の数を減らすことについて説明しましたが、これは巻線を緩く巻くという意味ではありません。
巻線数を減らす代わりに太い線を使用することで、大きな電流を流すことができ、同じ速度でも高いトルクを得ることができます。空間係数とは、線材をどれだけ密に巻いているかを示す指標です。細い巻線を増やすか、太い巻線を減らすかは、トルクを得る上で重要な要素となります。
一般的に、モーターの出力は鉄(磁石)と銅(巻線)の 2 つの要素によって決まります。

投稿日時: 2023年7月21日